君を抱きしめたい




「まどかちゃん、もう会った?」

会社の休憩室

お弁当をつつきながら唐突に先輩が話題をふった。

「誰にですか?」

「今日から営業部のほうに赴任してきた営業部の子達。」

「えっ?ああ…まだ会ってないですよ。だって初日早々、出勤してすぐに外回りに出てったそうじゃないですか。」

「今年の子達は期待できるわよ」と含み笑いする田口先輩。


確かに


先輩の気持ちも分からなくない。

なんせうちの会社はほとんど営業マンで成り立ってるようなもんだから。

そんな話しをしていると、噂の営業部の男軍団が数人、休憩室に入ってきた。

「なかでも1人、ずば抜けて成績の良い子が自分から希望してうちに来たらしいよ。」と田口さんが指差した彼は

スタイルも良さげな今時ふうの子だった。