「奈々のその…ショックだった気持ち…分かるんだ。 だから…」 「だから…?」 僕を見つめる奈々の眼差しはどこか怯えているようにも見える。 あの日 姉ちゃんが… 知らない男とキスをしていた。 頬を染めて それがすごく色っぽくて そして 姉ちゃんにそんな表情をさせるあの男がなんか嫌いで 腹立たしくて この感情の理由に気づかされるのに時間なんてかからなかった。 姉ちゃんがあの男と別れたのを知った時の安心感は言い表せれない。