目覚めると病院のベッドの上にいた。
過労で倒れていたらしい。

周りを見渡すと誰もいなかった。
ただ、カーテンの隙間から差し込む光が僕を照らしていた。

あぁ、朝海もこんな気持ちだったのかな、と少しだけ思った。
どんな思い出ベッドの上にいたのだろう。
自分の余命を知ってどんな気持ちでいたのだろう。
考えても考えても僕には分からない。
あれだけ側にいたのに、何も分からなかった。
だって、僕はまだ生きている。
朝海と約束したのにまだ生きている薄情者だ。