男だっていうのに、キスしただけで緊張してうまく話せなかった。
そうこうしているうちに朝海の住むアパートに着いてしまった。

「昊くん・・・お茶でものんでいかない?」

話を切り出したのは朝海からだった。
でも、今の僕には余裕がない。
部屋になんか入ったら何するか分からない。

「今日は帰るよ。」

と、僕が言うと朝海はあからさまに残念そうな顔をした。
下を向いて朝海は黙ってしまった。
でも、お互い手は熱くて離せなかった。