楓と郁生は、体育館倉庫の裏にいた。

「ふーっ、ほんとに出れたね」

楓は服についたゴミを払い落とした。

「まさかあんなところに抜け穴があるとは知らなかった」

郁生もメガネをかけなおす。


『三ヶ所、外に通じる入り口を開けておきます』

「薫さんの言った通りね」
「そうだな、さ、楓、話してる時間はないよ。行かなきゃ」
「そうだね」

楓と郁生は歩き出した。