楓は振り向くことが出来なかった。 郁生の…… いや、『律』の腕が。 自分の首を締めていたのだ。 「い、く?」 「楓!!」 「楓!」 律は、にたりと笑った。 心はじりっと足を動かす。 「動くな」 律の言葉に、足を止める心。 「いつわかったんだ? 私が郁生ではないことを」 「郁が…本物の郁が教えてくれた… 自分の力の全てを使ってな」 「ふんっ、小癪な真似を。…しかしさすが私の生まれ変わりだけあるな」 「…楓を離せ」 「嫌だ、と言ったら?」