「ここだな」

郁生は楓の手を離し、1本の桜の木にレーダーを近づける。

しかし、光はさっきより強く輝いてはいるが、動かしてみてもさほど強さは変わらない。

「中にあるのか?」

「みたいだな」

友哉が近づいて見ている。

「なぁんか取り出せそうなもの、見つけてこよっ」

晶は別の方向に歩き出した。

「晶、ちょっと待て。俺も行く」

「友哉もぉ?」

「勘違いすんなよ、1人より早く見つかるだろ」

「いいけど〜」

「あ、あたしも」

「楓はいいよ〜、郁といて〜」