『…くか?』 「律?」 『郁、なのだな』 「…そうだ」 桜の根本の光はゆっくりと人型になり、郁生の前に立った。 「律…」 まるで鏡を見ているような感覚。 律と郁生はうりふたつだった。 ただ違うとするなら、律の方がほっそりとしているぐらい。 それ以外は…。 ごくり、と郁生は唾を飲む。 一瞬どちらが自分なのかわからなくなってしまった。 恐怖を、感じた。