【光輝side】





―――奈南が倒れた。



慌てて駆け寄れば、苦しそうに息をしていて。




「熱っ……!」


でこを触れば、すごく熱くなっていた。



熱……?!



なんで?


さっきまで元気そうだったのに。




具合が悪そうな素振りなんて……



なんてことを思っていると、同じ様に駆け寄ってきた姉貴が



「光輝っ、なにぼけっとしてんのよ! 早くベッドに運んで!!それから冷えピタと体温計は?どこ?!」



そう言って、コートを脱ぎ捨てる。



その行動の素早さに、動揺していた俺は、ハッと我にかえり奈南を抱き抱えると、姉貴に冷えピタと体温計の場所を教えた。




ベッドのある部屋に奈南を運ぶ。



奈南の体は熱くて、思ってたよりも細く、心配になるくらい軽かった。



コイツ、ちゃんと食ってんの……?




熱にうなされる奈南に目を向けながら、ベッドに横にさせて毛布をかける。




ちょうどその時。


お盆に冷えピタと水、体温計を乗せた姉貴が部屋に入ってきて。



姉貴は手際よく冷えピタをはり、脇の下に体温計をさしこんだ。