【奈南said】




「――…っ、痛ぇーー!!」



「朝っぱらからなにしてんの!!この変態!!野獣!!猛獣!!」




いきなり現れた女の人が光輝の頬を引っ叩いて、怒鳴り付ける。




突然のことに、私は目を見開いてその光景を見ていた。




え?え……?




何がなんだかわからない。




女の人の声が聞こえた時、脳裏にあの女の人のことが浮かんできて。



私との約束を断って、女の人と仲良さげに歩いていた光輝。

その日のことを思い出しちゃって、涙が出てしまった。




目を擦りながら体を起こす。



光輝の前で仁王立ちするその人をそっと見上げれば、やっぱりあの時、光輝と一緒にいた女の人で。