だから、その日からクリスマスに間に合うようにバイトを増やしたり掛け持ちしたりして



奈南に似合う指輪を、友達のアドバイスを聞きながら選んだ。




最初の頃は、皆冷やかしたりいじってきたりしたけど



なんだかんだで皆、絶対に成功させようと協力してくれた。





そのことを奈南に気付かれないように俺なりに振る舞ってたんだけど……







「不安にさせた……?」




俯き、涙を流す奈南の頭を優しく撫でながらそう訊いた。



奈南は小さく頷くと、呟くように言葉を紡ぎだす。



「ずっと、不安だったっ……。


私だけが光輝のこと好きなのかな……っとか、

私に飽きちゃたのかな……っとか。


どんどん悪い方に考えがいっちゃって……


あの女の人の方がいいのかな…って……
ずっと…不安で……。


振られたらって考えると凄く怖くなった……っ」




震える声でしゃくりながらちょっとずつ、
ゆっくりと思いを言葉にする奈南を見て、
胸の辺りがギュッと締め付けられた。





そんなに不安にさせていたいたんだ……



そんな奈南の気持ちに、気付きもしなかった自分を殴りたくなった。





「ゴメン奈南、不安にさせて。気付いてやれなくてゴメン……」



そう言って俺は奈南を抱き寄せた。