「あのね、光輝…私、訊きたいことがあるんだけど」 光輝にプロポーズされた帰り、すっかり忘れていた疑問を思い出した私は光輝に問いかけていた。 「訊きたいこと……?」 光輝は不思議そうに私の顔を覗き込んできた。 女の人のこともそうだけど、それよりも先に訊きたいことがある。 「……うん、あの…ね…―――」 もじもじしながらも思いきって口を開いて言った。 「何で今日、こんなに遅れたの?」 そう。光輝がこんなにも遅れた理由。 それを聞かないとまだ安心できない。