ふぅーと静かに光輝が息をつくと、一瞬、握られていた手が離された。 離された手に寂しさが襲う。 そして、次の瞬間。 私の手の上に静かに小さな箱がおかれた。 ……? 何だろう……これ。 固くて生地は何かの布っぽい。 光輝は、その手を両手で包み込むようにして優しく握るとゆっくりと口を開いた。