真っ暗でよかった。 とてもじゃないけど、今の私の顔は見せられたもんじゃないから。 「奈南……」 光輝は私にゆっくりと近付くと、ふわりと私を抱きしめる。 「……っう」 せっかく止めたのに。 我慢してたのに。 堪えていた涙が1つ1つこぼれ落ちる。 光輝の胸に顔を埋めながら私は泣いた。 そんな私を強く抱き締めながら、光輝が呟くように言った。 「ゴメン……」 かすれて沈んだ声に、私の中で不安が増幅する。