「そういえばさっきの男、これから殺されるんですか?」 「いや、うちの組長は優しいからな。どっか切られて売られるくらいじゃねぇか?」 「ふーん。 なら、どんなことをすれば殺されるんですか?」 「変な質問だな」 岡村さんは怪訝な顔をする。 だめだ。これは答えてくれないやつだ。 「お前には不本意かもしれないが、俺はお前に何度か世話になった。危ない橋渡ろうとしてんなら止める」 「嫌だなぁ、ただの好奇心ですよ」 岡村さんは怪訝な顔のまま黙った。 私もまだまだだな、たまに気が抜けてしまう。