「触らないでってば!」 「うっさいな。こんな時間に出歩くお前らが悪いんやろうが」 口に布を詰められてそれ以上言えなくなった。 何てめちゃくちゃな理論。犯罪は被害者より加害者が悪いに決まってるじゃないか。 私は目の前にいる黒髪の男を睨んだ。 「俺、明日この街から出て行くんや。だから最後の思い出に楽しませてくれや、な?」 何でそんなことに協力しなきゃならないんだ。 そんな思い出作りたいならお金で買える人でも探せばいい。ふざけないでほしい。 夜風が少し冷たい今夜、貞操の危機に突入。