「ぶっきらぼうなんですけど、強くて男らしくて。それで、すごく優しい人なんですよ。 困っている私を助ける為に、お仕事クビになったらしいんです。それでも私が気を遣わないように接してくれて」 「今時珍しい人だね。名前は何て言うの? この辺りにいる人なら知ってるかもしれない」 「名前はですね…須磨圭吾さん、です」 私が彼の名を口にした瞬間、女性の口から紅茶が噴き出た。