「日向君ー、凛君ー、

朝ご飯ですよー!!」

「朝ご飯……?」

腫れぼったくなった瞼を擦って目を開けると

すぐ横に凛の寝顔があった。

昨日、
お互いに涙を流し、
労るように凛を抱きしめてる内に…

いつの間にか
床で眠ってしまったんだ………。


兄貴が様子を見に来てくれたらしく、

オレ達の頭の下には枕が置いてあり、

体は布団で
くるまれていた。


子供でもないのに、
一緒に眠ったってのは

なんか
ちょっと気恥ずかしいけど…。


「ん……。」

凛が、うっすらと目を開く。

「よっ。」

「………。

ヒナタ………。」

「おはよ、凛。」

声をかけると、

凛は、ぽやん…とした顔で、
子供みたいに
嬉しそうに微笑んだ。

布団の中から
手が伸びてきて、

オレを抱き締める。

「…ヒナタ……。」

「り、凛、離せ!!
苦しいって!!」

慌てて、手足を
ジタバタさせると…

一瞬の間を置いて、
オレを離して
飛び起きる。

「ごっ!!ごめん!!」

「……お前、
寝ぼけてただろ…」