当たり前ながら、
訳が分からない様子の凛を、そのまま連れて帰り、

2人で部屋に閉じ籠り、

自分の中に溢れてた
力の揺らぎと、
『ヒナタの感情』についての話をした。

本当は…

ヒナタが隠してきた
『想い』を、

オレが勝手に
凛に伝えていいものか迷ったけど…

だけど…
思ったんだ…。

最後まで言えなかった
ヒナタの辛い気持ちを、

凛に
ちゃんと知っておいて欲しい…!

誤解したままでいて欲しくない……。


「…………。」

全てを聞き終えた凛は、

信じられないような顔をして
オレを見つめている。

「そんな…まさか…。

だって、ヒナタは
レオンを………!」

「だから、
それは お前の勝手な勘違いで…。

ヒナタは……

お前の事、ずっと好きだったんだ。

……同化して、
魂だけになっても

オレの中で
お前への気持ちをあんなに溢れてさせる程、

お前の事……」

「嘘だっ!!!」

怒鳴られて、びっくりしているオレの肩を

凛が力を込めて掴む。

「い………っ!」

「ヒナタはレオンが好きだった!!!

レオンもヒナタの事を………!!

だから、俺は
あの時………!!」

「……。
レオンの魂と
同化すると言い出したヒナタを止めなかった…?」

「………!!!」

両肩を掴まれたまま、
凛を見上げると…

オレの頬っぺたに
ポタリ…と滴が落ちてきた。

あの凛が…泣いてる…。

「……仕方なかったんだ、凛……。

誰が止めても意味がなかった。

結局、同化するしか道はなかったんだ…。

ヒナタは、
それを…ちゃんと分かってた……。」

手を伸ばし、
凛の頭を引き寄せ、

抱き締める…。

「ヒナタは…

同化する事で、

あの世界と、
レオン、兄貴、先生…

そして、お前を守りたかったんだ…。」

震える両手で
オレの背中を掴み…

凛は泣いている……。