「悪かった……。

お前を守るって約束してたのに、俺は……。」

言葉を切り、
さらにきつく噛み締められた凛の唇から、

少しだけ血が滲み出す。

「凛!!!

やめろ!!!」

両手で凛の頬を音をたてて挟む。

「オレが悪いんだ!!

オレが、自分の力の揺らぎに気をつけてなかったから…

だから、やめろ!!」

瞳を見つめ…

頬においたままの両手のひらに、
温かい体温を感じ…

凛…………。

親指を、そっ…と動かし、

うっすらと血の滲んだ唇をなぞる…。

「日向……?」

「オレに…」

背伸びして、顔を近付け……

「お前の力…
分けてくれよ……。」

凛の唇に……

自分の唇を重ねる………。

ああ……

心臓が…鼓動ではち切れそうだ……

炎のように熱い凛の力が、
オレの中に勢いよく流れこんでくる……。

熱い………。

オレが、
どんどん……
流されていく………

「日向…!」

足元が、
ふらふらして倒れそうになった瞬間、

凛が唇を離して

オレの体を、抱き止める……。

「大丈夫か!!日向!!」

「だい…じょぶ…」

オレ………

凛とキスしたんだ…。

あんなに好きって思ってた凛と……。

そう思った時、オレはある違和感を感じた。

……………ん??

ちょっと待てよ……??