彼方先生が、
いきなり凛の胸ぐらを握り締め、
自分の方に引き寄せた。

「な……!」

「貴様の目は節穴か…?」

鼻がぶつかりそうな程、顔を近づけて、

低い声で凛を罵る。

「馬鹿真面目しか脳のない単細胞のわりに

日向を見守る事すら
ろくに出来ないのか…。」

「先生、やめろ!!
凛が悪い訳じゃねーんだ!!」

胸ぐらを掴んでる
先生の腕に飛び付くと、

凛が顔を横に向けて、
オレを見る。

オレの瞳の色に気付いたのか、ショックを受けているみたいだ…。

「………。」

先生は黙ったまま
足音荒く保健室から出ていってしまった…。

凛は、下を向いて
唇を噛み締めたまま、
ピクリとも動かない…。