虹色の騎士団

「…これ…夢の中なのか…?」

虚夢の力は微笑み、首を横に振る。

「小さな騎士に頼まれた…。

大好きなお父さんを助けて…と。

その身体を私に預け、
カイリは今、ここで眠っているよ。」

オレの身体を離し、
自分の胸をそっ…と押さえた。

「カイリは…。」

「…大丈夫…。
全てが終わったら…必ず。」

虚夢の力は立ち上がり、

空に戻って苦しみの叫びを上げる災厄の月を見上げる。

「私の力は、夢を作るだけではない。

こうして現実の世界で、騎士が力を使う時。

そこに存在した物質を無理矢理千切り、

無き物として虚無の闇に送る事が出来る。」

「………あ。」

それを聞いて、オレは思い出した。

カイリの周りで、たまに物が無くなる事があった。

そんなに大切な物じゃなかったから、

その時はオレも兄貴も対して気にしてなかったけど…。

今思えば、あれはカイリの騎士の力だったのか…!!!