虹色の騎士団

「ひな…た…!!」

凛の苦しそうな声を聞いて、慌てて周りを見ると、

オレ以外の全員が
ズブズブと泥に身体を捕られ、
沈み込んでいるのが目に入った。

「く…っ!」

「凛!!!」

一番近くにいた凛が必死でもがいているのを見て、
慌てて手を掴んで力一杯引っぱった。

だけど、引きずりこまれる力の方が強くて…

凛だけじゃない…

オレと、
離れた場所で意識を失っているカイリ以外の全員が、
あっという間に胸の辺りまで沈んでる…!!

どうしたら…!!!

慌て過ぎて、頭の中が真っ白になって…

とにかくきつく掴んだ凛の手を無茶苦茶に引っ張る事しか出来ない!!

『あーぁはぁはぁあ…』

そんなオレを見下ろし、災厄の月は、
嬉しそうににやり…にやり…と笑っている…。