目を閉じたまま、
低い声を出した未来に驚き、
身体を離そうとした時


「日向ーっ♪」

目を開けて、
ガバッ!っと再びオレを抱きしめながら、
身体をゴロゴロ左右に動かす。

「な、何…?」

「あー!もうヤバいっ!!
日向ー!!可愛過ぎるっ!!

あー!!もー!!
ぼく、日向の事ー大好きだー♪」

揺り籠に乗せられて、
激しく揺らされてるような感じ……。

「わ、分かった!!
分かったから落ち着け!!!」

「もー無理っ!!日向ー♪」

「止めろ!!揺らすな!触るな!!
も、もうお前寝ろ!」

揺らされながら、
ひとしきりジタバタして…。

ようやく未来も
ちゃんと寝る気になってくれたらしいんだけど…。

「おやすみ、日向ー!」

結局、
上半身裸で抱きしめられたまま寝るんだな…。

「…おやすみ。」

オレは諦めて未来の腕の中で目を閉じる。

1人で不安に思いながら、
この部屋にいたのが嘘みたいに…。

直ぐに、
眠りの闇の中に落ちていく…。

未来はオレが凹んでんのに気付いて…

わざわざ自分も寝ないで、相手してくれたんだよな…。

完全に眠る直前、
オレはふ…とその事に気付き、
口角を少しだけ上げた。


…ありがとな…未来…。