「日向ー、ちゅー。」

「…は……？」

「日向からー、
ぼくに ちゅーして。」

ニコニコしながら、
とんでもない事を言われる。

「何でだよ！！」

「だってさー、
今まで ぼくからばっかで

日向からしてもらった事ないんだもん…。

だから、お願い…。」

本来、
オレが兄貴に使ってきた『かくし球』であるはずの目付きって…

多分、客観的に見ると
こんな感じなんだろーな…。

自分がしてきた事を、
今更ながら心の中で兄貴に謝る。

…兄貴、ごめん。

これされたら、
確かに言う事聞いてくれるよな…。

溜め息をつき呟く。

「…一回だけな…。」

身体を上にずらして、
未来の顔を真下に見下ろす。

さっきまでニコニコしてたのに、いきなり真剣に見つめられて…

流石に顔が熱くなる。

「み、見んな！！
目、閉じてろ！！！」

「………。」

すっ…と目を閉じた未来の唇に、
顔を下げてちゅ…っとキスする。

これ…
すげー恥ずかしい…っ！！！

「…ふふふ………」

…ふふふ？