虹色の騎士団

未来は無言で
オレの左の鎖骨の上を撫でる。

そこは、
未来に付けられたキスマークがある所だ。

あれから日にちも経ち、凛達の首もオレの首と鎖骨の上も。

ようやく、
色が薄くなってきた所だ。

…それでもまだ結構目立つけど。

未来は自分がオレに付けたキスマークの上に手を置いたまま、
オレの目を見つめる。


「日向、
お願いっていうのはね…。

日向の身体にぼくが。

そして、ぼくの身体に日向が。

ふざけ合って付けた、これとは違う…

誰にも秘密の
キスマークを付け合いたいんだけど…。

…ダメ…? 」

なんか…
いつもの未来と違って、ちょっと照れてるような口調で言われた。

最後の『ダメ?』なんて、
小さな子供がおねだりするみたいな雰囲気だったし…。


「いや…
駄目じゃないけど…何で?」

そんな風に、
秘密のキスマークが欲しいっていうのが何でなのか気になって、
普通に質問してしまう。