虹色の騎士団

ドアの影から
兄貴も出てきてニコニコしてるし、

皆の真似してパチパチ手を叩いてるカイリを抱っこしながら

兄貴の横に立っている彼方先生は、
完全に呆れた表情で未来達を見ている。

唖然としたままのオレの肩を、
凛がぽんっ…と叩いた。

「…悪い。
押しきられて断れなかった…。」

「………はい?」

未来が新しいTシャツを手に持ちながら、
オレにニヤッ…っと笑いかける。

「ふふふー…。

日向のー大切な『初・発動』を、
忘れられない物にしよーって計画したんだよー♪」

勇武はとにかくニコニコしながら話しかけてきた。

「くじ引きの結果、
凛さんが悪人役になったんですよー!」

「……悪人役はある意味当たりだよね…。

日向の身体は拭いてあげられるし、
キスまではOKだったし…。」

真宵は耳朶を弄りながら、
つまらなそうな顔をする。

「…あの雰囲気で
キスしなきゃいけなかった方が、俺は嫌だった…。」

凛がゲンナリ呟く。

「文句言わないのー。

案を決める時ー、
凛と真宵がジャンケンに負けたのが悪いんだからさー。」