全員が見守る中、
レオンの髪と瞳の色が変化した。

「………。」

オレンジ色の瞳で笑いかけるレオンを前に、

凛も自分の中の騎士の力を開放する。

炎のように熱い力が身体の中を駆け巡り、

凛の髪と瞳の色を赤く染めていく。

竹刀のように新聞紙の棒を構えて呼吸を整え…

真っ直ぐにレオンを見つめる。

レオンは右手に棒を持ち、
いつでも飛び出せるように体勢を低く構えた。

そのまま時間がゆっくりと過ぎていき…
それでも2人は動かない…。

夕日が河原に赤い光を落とした時…。

猛然と凛に向かって走り出したレオンが左手を振るい、

騎士の力で凛の目の前の草を、
勢いよく成長させ視界を塞ぐ。

凛は後ろに飛び退き、炎で目の前の草を焼き払い、
飛び込んできたレオンの棒を自分の棒で力強く叩き払う。