「つまり勝敗の行方を握っているのは、
凛…って事だね……。」

「はい…。

あの2人は、よく一緒に鍛練していましたし…

純粋に剣術だけなら
凛君が有利になるかもしれませんが、

レオン君には陽光の力があり、
凛君の力は直接は効かない…。

…そうなると、
僕にも全く予測がつきません…。」

そこまで言うと香澄は溜め息をついて立ち上がり、
レオン達が食べていた遅めの昼食の後の皿を集め、台所に入っていく。

真宵はソファーで紅茶を飲みながら、彼方をチラリ…と見た。

「…お前がやろうとしている事は大体予想はつくが、
止めておくのが懸命だ…。
上手くいくはずがない…。」

口を開く前に彼方にそう言われ、
真宵は口を歪め、小さく笑う。

「…やってみなければ分からないよ先生。

…最悪の場合、俺が彼の魂を束縛して…。」

「…また死にかけたいのか?

それに…
上手く事が運び、レオンの魂から力だけを抜きとったとして…。

レオンの魂がなければ、ヒナタの魂を隠せない。

…この世界まで災厄に滅ぼされたいのか…?」

的確な彼方の指摘に、
真宵は悔しげな表情のまま俯いた。

その姿を見て彼方は瞳を閉じ、
溜め息のような笑いを漏らす。