虹色の騎士団

「それより凛君。」

名前を呼ばれ顔を上げると、
香澄が何だか寂しそうな顔で笑いかけてきた。

「……折角の機会なんです。

レオン君がああして居られる間…

遠慮せずに昔の貴方達に、戻っていいんですよ」

「昔の…俺達……。」

「今夜は2人で日向君の部屋に寝て下さい。

布団は貴方が泊まる事になった時点で
運んでありますから。」

「…………。」

凛は2人に軽く頭を下げてリビングを出て、
階段を ゆっくり上がる。

「昔の俺達……。」

凛は思い出す…。

あの世界でずっと、レオンと一緒だった日々を…。

同じ村に産まれ、
まるで双子の兄弟のように一緒に過ごして来た毎日。


彼方と香澄を伴って村にやって来たヒナタによって、

2人同時に騎士として覚醒し、
村を離れ神殿で新しい生活を始めて…。

生涯唯一の親友だと思っていたレオン…。

…そして自分を庇い、命を落としたレオン…。