虹色の騎士団

「………。」

凛はサラダの中をじーっと眺め、
今度はセロリを見付けて摘まむ。

「これは?」

顔の前に出されて、少し後ずさる。

セロリ…
大嫌いなんだよな…。

そんなに頑張って苦味を主張しなくても…
って程、無駄に苦いし…。

人間が食べれる物のカテゴリーにちゃんと入ってる癖に、
びっくりする勢いで
不味いとしか思えないのが、すげー腹立つし…。

「日向…。口開けろ。」

「えー…。
別にそれ食べなくても立派に生きていけ…」

言い終わらない内に首の後ろに凛の手が伸びてきて、
ガッシリと支えられ、逃げられない状態でセロリを口に突っ込まれた。

「…………。」

「噛め!!!」

強く言われ、嫌々ながら噛んでみる。

…………。

………あれ?

「旨い…。」

シャキシャキした歯応え
も最高だし、

しかも結構、みずみずしいんだなー!

…徹底的に苦手な苦味すら、
今日は逆に普通に旨く感じた。

オレ…何でセロリの事、
あんなに敵視してたんだろ…?

いつの間にか食卓の方にいる奴等も、オレと凛を見ていて…。

凛が顔を兄貴に向けた。

「香澄さん…。」

「ええ…。そうですね…」

何か2人だけが、
何かに気付いたような深刻な顔して見つめあってる。