「……神殿での記憶は、
日向君の物ではなく、

ヒナタのものです…。

貴方の中にある
ヒナタの魂から
溢れでた記憶…。」

「ヒナタの記憶…?」

「本来、
見る事の出来ないはずの記憶が、

突然、日向君の中で暴れだしてしまったんです。

原因は分かりませんか、

あのままでは

貴方の心が消えて…
完全に、ヒナタになってしまう所でした………」

「オレがヒナタに…?」

「そうですよ…。」

そこまで言うと、
兄貴はオレを抱き締めながら、
何度も頭を撫でた。

「日向君が無事で
本当に良かった…。」

「兄貴ってさ…、ほんとオレの事、抱きしめるの好きだよな…」

オレの言葉に、
兄貴が、くすり、と笑う。

「僕は、日向君が
可愛くてしかたないんですよ。

可愛くて、大切で…。

ついつい
こうして抱きしめて
守りたくなるんです…。」


「………ま、まあ…
兄貴がそう言うんなら
好きにすればいいけど…」

「はい、
セルフサービスで
大切な日向君を
守りますよ。」