「いーからさっさと初めてくれよ!!

…緊張し続けんの疲れるんだよ!!」

オレは、げんなり気味に怒った。

これって注射の列に並んでる時の感覚に似てる…。

怖いけど、
どうせやるならさっさと終わらせて欲しい。

「お察しします、日向さん!
ふ、ふぁいとっ!」

何故かオレ同様に緊張しまくってる勇武が、
凛の隣からエールを送ってくれる。

「ふぁいとー!」

その膝に抱かれたカイリも、嬉しそうに両手を上げた。

凛が笑って手を伸ばして、カイリの頭を撫でてやる。

「ああ日向…。ごめんね?

未来が下らない事、言い出すから…

ついつい挑発に乗ってしまったよ。」

「真宵ってさー、
何気に彼方に似てるよねー。

さらっ…っと口悪い所とかさー。」

ふふふ…と笑い合い、狐と狸が……って、

「そのパターンは、もーいーっつーのっ!!」