「だ、大体!!
暴言なら先生だって吐きまくってんじゃんか!」

最後の悪足掻きをするも…

やっぱり意味なかった…。

結局勇武と2人でカイリが暴言を忘れるまで

目の前で思い付く限りの「綺麗な会話で相手を誉めるの刑」に処された…。

「日向さん、今日も可愛らしいですね。」

「いえ、そんな。
勇武さんこそ、その素敵な髪の色が似合ってますよ。

まるで凛さんの、騎士姿のようです。」

…まるで英語の教科書に書かれた日本語訳のような会話を、

カイリがじーっと見つめる中、考え考え繰り返す。

「日向さんの目は、あの空に浮かぶ綺麗な月のようだ。

とても美しい。」

「あなたにそう言われると、私は幸せな気持ちになるのです。

あなたの逞しい胸で私を抱きしめてください」

「日向さん…」

「勇武さん…」

もー最後の方は、
いよいよ訳分かんなくなり
ミュージカルみたいになってきちゃって…。

オレ達の会話聞いて、
最初大ウケしまくってた奴等も、
いつの間にか見いっちゃってるし…。

何で…こんな事に…。

ようやく許してもらえたのは、
戦争で生き別れになったオレ達が再開し、
きつく抱きしめ合った時だった…。