あれ………?

オレ……なんで
こんな記憶……

舞殿なんて……

見た事ないのに………

『ほらほら、

じっとしてないと
綺麗に、とかせませんよ』

寝癖で、ぐしゃぐしゃになった
オレの長い髪を

毎朝、櫛で綺麗にしてくれて……。

オレ…?

これは…オレ………??

「日向君っ!!」

誰かに肩を揺すぶられる。

『こら、ヒナタ!

好き嫌いしては いけませんよ?!』


「駄目だ!

ヒナタの記憶の逆流が始まってる…!

このままだと、魂が2つに…」

『泣かないで、ヒナタ…。』

胸が痛い……。

何かが溢れそうになってる……。

「僕が力を送ります…!」

そっと抱き締められ、
頭を支えられてる…

そして…

唇に柔らかい物が押しあてられ…。


まるで、テレビのスイッチを切ったみたいに

オレの目の前は

真っ暗になった……。