…確かにオレじゃ
先生みたいに兄貴を上手くなだめられないけど…。

「オレ…寝るわ…。」

あまりのラブっぷりに当てられ、
熱くなった耳を撫でながらリビングを出ようとした時、

「日向君!!」

兄貴に呼び止められた。

「な、何…?」

ちょっと今は……

振り向きついでに
余計なものを見せられても困るので、前を向いたまま答える。

「い…今の彼方の最後の言葉!よく考えてみて下さい!

そうすれば、きっと…!」

「香澄……。」

……な、なんか今、衣擦れの音に続いて、
『ちゅ…』って音が聞こえ……

「かっ…、彼方っっ!!
ちょっと待って下さい!

本気で怒りますよ!!」

バタバタと兄貴が抵抗してるよーな音が聞こえ……

や、奴は本気だ…。

今ここに居たら、本気でとんでもない物を見せられ…もしくは聞かされる!!!

「お、おやすみっ!!」

オレは慌ててリビングから出て、階段をかけ上がる。

あ、焦った…。

つーか…。
先生は段々、開けっ広げになっていくような…。

常識で色々考えろよな…。

いや…
エロい事に関して、あいつに『常識』なんてないか…。