虹色の騎士団

「…仕方ないですね…。」

今回も溜め息をつきながらではあったけど、
アッサリ折れてくれた。


…こんな兄貴だからこそ、ホントにサイコメトリーなんて出来るとは思えないよな…。

「…日向君…。

何だか…嫌な事、考えてません…?」

「うえっ?な、何が?」

「何だか…
日向君の手の平から『陰謀』とか『策略』とか…

そんな強い気持ちの流れを感じるんですけれど…。」

う…!!!
今まで、そんな事言われた事なかったのに…

オレは思わずパッ…と手を上げて、ぎこちなく笑った。

「…日向君。」

兄貴がオレを睨む…。

これはヤバい…!

そう思った時には、兄貴はポロリ…と涙を溢した。

「…兄さんは…、
日向君をそんな狡い子に育てた覚えはありません…。」

うっ…うあー……!!
やっぱり泣かせちゃったよー!!!

オレは慌てて兄貴の両手を しっかり握りしめる。