虹色の騎士団

「なあ、兄貴…。
勇武、遠慮して家に泊まらなかったの?」

ソファーに座り、水を飲みながら
さっき気になった所を聞いてみる。

「日向君、
これも相手の気持ちを図る勉強です。
まずは自分で考えてみましょうね。

何故、勇武君は帰ってしまったのでしょうか。」

…こーゆー時の兄貴って、ちょっと学校の先生っぽいよな…。

オレは、しばらく考えて答える。

「…遠慮したから?」

言ってみて、考えた割にこれじゃまんまじゃん…。と思ったけど、

兄貴は辛抱強く質問を繰り返してくれた。

「では何故、遠慮したのでしょうか?」

何で遠慮したか…。

「知りあって間もないから、泊まるなんて悪いと思った…?」

「とても良いですね。

では何故、知り合って間もない相手に悪いと思ったんでしょうか?

…ここは混乱を避ける為に、少しヒントをだしましょう。

僕達は普通とは違い、騎士の力で結ばれた仲間です。

絆の強い相手に対して、勇武君が何故、遠慮したんでしょう?」