虹色の騎士団

風呂から上がると、兄貴以外誰も居なかった。

「あれ…?皆は…?」

「もう遅いですし、
それぞれ帰りましたよ。」

「あの!!
風呂まで勝手に頂いてすみませんでした!

自分も今日はこれで…」

「駄目ですよ、勇武君」

そのまま帰ろうとする勇武を、兄貴が引き留めた。

「貴方は勉強会の最中ですし、
お家も他の皆に比べて遠いんです。

また明日、ここに来てもらうのも大変かと思いますし、
勉強会の間だけでも、家に泊まって下さい。

…学校も、まだお休みの筈ですよね?」

「……いえ、お気持ちは嬉しいんですが…。

着替えも持ってきてませんし、今日はこれで失礼します。」

勇武がキッパリ言うと、案外あっさりと兄貴は引いた。

「なら明日は、着替えを持って家に来て下さいね。
…遠慮せずに。必ず。」

なんか兄貴、変な言い方するな…。

結局、勇武は帰ってしまい、
久々にオレと兄貴しかいないリビングは

なんだか静かで、広く感じた。