虹色の騎士団

「それから…?」

またまた先生に言われ、思い出したように、
カイリがオレに向かって手招きする。

「カイリくん。こっちきてください。」

「?」

とりあえず呼ばれたから側に行くと、

「おかーさん。」

カイリが何かを先生に渡す。

「香澄。
お母さんではない。

彼方、だろう?」

そう言いながら、先生がオレの首の辺りをゴソゴソやってる。

「…出来たぞ、カイリ」

頭を撫でられ、楽しむような声で言われ…

オレは首から下がる『布』を摘み、
情けない気持ちに思わず恨めしげに先生を睨む。

…カイリ用の布製スタイを付けられてしまった…。

オレの首には、当たり前ながらサイズが合わないのに…

上手く紐か何かを足して結んだようだ。

しかも、数種類あるスタイの中から、
可愛いお猿さん模様の黄色いやつを
わっざわざチョイスしてくる辺り…。

「…こーゆー手間は一切惜しまないんだな…。

彼方おかーさん…。」

「カイリ、
お前はそんなに達者に喋れないはずだが…?」

くっ…!
なんつー憎たらしい顔で笑うんだ……!!