虹色の騎士団

悩むオレを見て、兄貴が先に決めてくれた。

「それでは兄さんは、勇武君について勉強してみます。

勇武君とは一番お付き合いしている時間が短いですからね。

この機会で勇武君の事を、もっとよく知れると思います。」

兄貴が勇武を勉強する…って事は…

「じゃあオレはカイリかな…。」

案外、一番難しいかも…。

「それではカイリ君は、僕の事をお勉強してくださいね」

「おべんとう…?」

「そうですね…。
つまり…単純に真似するのが一番簡単ですね」

兄貴はカイリの頭を撫でながら少し考える。

「まずは今日の夜まで。

今決めた相手の事を自分なりに模写してみて、

それから次に話し合い。

…真似してみて、どんな事が分かったのかお互いに意見を交換したりですね…。

翌日にもう一度、相手の気持ちを考えながら、なりきって勉強。

これを1セットとして、次々勉強する相手を、ぐるっ…っと交換していく。

…これで、どうですか?」

「おおー!!」

オレ達3人は、兄貴に拍手を送った。

…カイリはやっぱり分かってないみたいだけど、
とにかく嬉しそうに手をパチパチしてる。