突然、
冷たい水の渦が
2人を取り囲み、
炎の礫を遮った。
同時に
レオンが糸の切れた人形のように
地面に倒れる。
「馬鹿が!!
何をやっているっ!!」
庭園の入り口に立ち、
水のオーラを体から溢れさせた、
カナタが怒鳴るが、
リンには
その声も聞こえない……。
レオンの体に腕をかけ、
ぐったりとした上半身を抱き起こす。
「レオン……
レオン……。」
あぁ………ああぁ………
地上から、
幾つもの小さな光の玉が空に向かって浮かんでいき、
太陽の欠片を吐き出し終えた
『月』に吸い込まれていく。
そして…
リンに支えられたレオンの体からも、
同じような小さな光が浮かび、
胸の辺りでふわふわと漂い始めた。
「駄目!!
レオン、行っちゃ駄目っ!!!」

