「くそっ………!」
泥濘から必死で立ち上がり、
レオンは弓矢をつがえ、
弦を力一杯引き絞ろうとするが……
こんな足場では、
上手く力が入らず、
放たれた弓矢は
然程離れていない泥の山へ
「ぐちゃっ!」という小さな音と共に飲み込まれてしまう。
「一度、引き返して
体勢を立て直そう!!
他の2人と
ヒナタにも………」
「駄目だっ!!!!!」
屋内に戻ろうとするリンの腕を
レオンは強く握り、
叫ぶ。
「ヒナタは………
舞乙女は駄目だっ!!
まだ、騎士が揃ってない今の状況で
アイツが ここに出てきたら………!!!」
あぁはあぁあぁ……………
『月』が狂ったように笑いだし、
ギリギリと鋭く尖った
汚ならしい牙で歯軋りをすると…
固い物が砕け散るような音が
辺りに響き渡る。
唇をすぼめ、
口内の唾を吐き出すように、
地上に向かって
「ぷっ…!」
と大量の「何か」を
吐き出す。
……それは……
炎の欠片…。
粉々に噛み砕かれた太陽の「成れの果て」。
炎の粒は、
鋭い矢のように
地上にいるレオンとリンめがけて降り注ごうとしていた……
泥濘から必死で立ち上がり、
レオンは弓矢をつがえ、
弦を力一杯引き絞ろうとするが……
こんな足場では、
上手く力が入らず、
放たれた弓矢は
然程離れていない泥の山へ
「ぐちゃっ!」という小さな音と共に飲み込まれてしまう。
「一度、引き返して
体勢を立て直そう!!
他の2人と
ヒナタにも………」
「駄目だっ!!!!!」
屋内に戻ろうとするリンの腕を
レオンは強く握り、
叫ぶ。
「ヒナタは………
舞乙女は駄目だっ!!
まだ、騎士が揃ってない今の状況で
アイツが ここに出てきたら………!!!」
あぁはあぁあぁ……………
『月』が狂ったように笑いだし、
ギリギリと鋭く尖った
汚ならしい牙で歯軋りをすると…
固い物が砕け散るような音が
辺りに響き渡る。
唇をすぼめ、
口内の唾を吐き出すように、
地上に向かって
「ぷっ…!」
と大量の「何か」を
吐き出す。
……それは……
炎の欠片…。
粉々に噛み砕かれた太陽の「成れの果て」。
炎の粒は、
鋭い矢のように
地上にいるレオンとリンめがけて降り注ごうとしていた……

