スッキリした気持ちで
止めていた足を動かそうとした瞬間、
「夜野っ!!!
お前、あと3周 追加っ!!!」
誰かに(まあ…先輩だろーけど…)
後ろから肩を掴まれ、
思いっきりバランスを崩す。
「あ……」
って思った時には、
体を庇う暇もなく。
オレは地面に向かい、
思いっきり
ぶざまな格好で
倒れていた。
………………………………
謝りたおす先輩には
オレがサボってたのが悪いんだって事を伝え、
一緒に付き添うって
しつこい凜には
オレは子供じゃねーぞって事を伝え。
擦りむいた膝に薬をつけてもらうべく、
一人、保健室へ
ヒョコヒョコ歩いていった。
引き戸をノックしてから
中に入る。
「彼方(かなた)せんせー。
いますかー?」
保健室には、煎れたての
コーヒーの匂いが充満してる。
椅子に座り、
優雅にカップを口に付けているのが
家の高校の保健医。
「……どうした。
怪我でもしたか。」
「グラウンドで転んじゃって…。」
血と泥が まじりあった
ひざ小僧を指差す。
「高校生にもなって
転んで膝に
派手な擦り傷……。」
相変わらず なんか
引っ掛かるよーな言い方しつつ、
立ち上がり、
泥流し用の低い水道の前に
椅子を置く。
「ここに座れ。
汚れた膝を見せてみろ。」
「へーい。」
蛇口から溢れ出る
冷たい水に傷口をさらす。
「少し触るが、
痛がって叫び回ったり………」
「する訳ねーだろっ!」
「…それは結構。」
彼方先生は、
ひやりと冷たい手で
オレの ひざ小僧から
泥と血を落としていく。
「っ……!!」
「……痛いか?」
……なんで ニヤリと笑うんだよ!!
コイツ、前から思ってたけど
ぜってーサドだよ!!
「よし…いいだろう。」
柔らかいタオルを出してきて、
オレの足を拭こうとする。
「い、いや それ位なら自分で……」
「…五月蝿い。動くな。
そんな水びたしの足で
ここの床を汚されたくない。」
止めていた足を動かそうとした瞬間、
「夜野っ!!!
お前、あと3周 追加っ!!!」
誰かに(まあ…先輩だろーけど…)
後ろから肩を掴まれ、
思いっきりバランスを崩す。
「あ……」
って思った時には、
体を庇う暇もなく。
オレは地面に向かい、
思いっきり
ぶざまな格好で
倒れていた。
………………………………
謝りたおす先輩には
オレがサボってたのが悪いんだって事を伝え、
一緒に付き添うって
しつこい凜には
オレは子供じゃねーぞって事を伝え。
擦りむいた膝に薬をつけてもらうべく、
一人、保健室へ
ヒョコヒョコ歩いていった。
引き戸をノックしてから
中に入る。
「彼方(かなた)せんせー。
いますかー?」
保健室には、煎れたての
コーヒーの匂いが充満してる。
椅子に座り、
優雅にカップを口に付けているのが
家の高校の保健医。
「……どうした。
怪我でもしたか。」
「グラウンドで転んじゃって…。」
血と泥が まじりあった
ひざ小僧を指差す。
「高校生にもなって
転んで膝に
派手な擦り傷……。」
相変わらず なんか
引っ掛かるよーな言い方しつつ、
立ち上がり、
泥流し用の低い水道の前に
椅子を置く。
「ここに座れ。
汚れた膝を見せてみろ。」
「へーい。」
蛇口から溢れ出る
冷たい水に傷口をさらす。
「少し触るが、
痛がって叫び回ったり………」
「する訳ねーだろっ!」
「…それは結構。」
彼方先生は、
ひやりと冷たい手で
オレの ひざ小僧から
泥と血を落としていく。
「っ……!!」
「……痛いか?」
……なんで ニヤリと笑うんだよ!!
コイツ、前から思ってたけど
ぜってーサドだよ!!
「よし…いいだろう。」
柔らかいタオルを出してきて、
オレの足を拭こうとする。
「い、いや それ位なら自分で……」
「…五月蝿い。動くな。
そんな水びたしの足で
ここの床を汚されたくない。」

