つーか2人共声デカいから
ここまで聞こえて来るけど…
相手の姿がよく見えない…。


「おおーい!日向君!」

丁度良いタイミングで、誠さんが花壇に居るオレに向かって『来い来い』と手招きする。

小走りで門の方に行くと、誠さんの前に居る人の姿を見る。

ショートカットの髪を真っ赤に染めて、
何か黒くて太めのヘアーバンドみたいなのをして前髪とかが邪魔にならないように後ろに上げてる。

一見、不良っぽく見えなくもないんだけど、

人懐っこい丸い目と爽やかな笑顔がそれをカバーして、
ワイルドな美形って感じがする。

体つきは凛よりガッシリしてて、
身長は…未来か、彼方先生位ありそうだ…。


「彼は守谷 勇武(もりや いさむ)君だ。

一昨年から私の道場に毎年来ている子でね、

今年…ええと…19歳…だったかな??

えー、こちらは夜野 日向君。

真宵の学友だ。」

「真宵さん…
ああ!師匠の甥子さんですねっ!!」

ニコニコと愛想のいい笑顔でオレに挨拶してくる。

「初めましてっ!
自分、守谷っていいます!!」