「そーら、
今日も たーんと飲めよー……。」

朝の光を受けて、
キラキラと葉っぱを輝かせる朝顔に水をやり、
オレは満足して眺める。

横に立ててやった棒に蔓を絡ませて、
グングン伸びてる姿を見ると凄く嬉しい…。

朝顔育てるのなんてホント小学校以来だけど、
こんなに可愛い物とは思わなかった。

「早く花咲くといーな…。頑張れよー…。」

いくら成長早いったって、そんなにいきなり花が咲くとは思えないけど…

既にオレの中で、家に帰る時には
誠さんに鉢を貰って、

こいつを連れて帰るって決まっていた。

…さて、今朝は何の歌聞かせてやろうかなー?

そんな事を考えてた時だった。

「頼もーうっ!!!!」

いきなり門の方から大声が聞こえて来て、
すんげー驚かされる。

た、頼もうって…
んな、道場破りみたいな…。

そう思って声のした方を見ると、門の前に誰かが立っているのが目に入った。

「おお!勇武君!!
今年は大分早かったな!!」

「オス!!
ご無沙汰しました!!師匠!!」

誠さんに『いさむ君』と呼ばれた相手は、深々と頭を下げている。