テーブルに置かれたカップを手に取り、
いい香りがする紅茶を一口飲む。

既に、オレ好みの甘さになってて凄く旨い。

「…唸ってた原因は、凛君?」

何も話してないのにいきなり凛の名前を出されて驚き、
兄貴の顔をまじまじと見つめる。

「……何で分かんの?」

「僕は日向君のお兄さんですから。」

ニコニコしながらそう言われて…、

カップを指で擦りながら、ぽつりぽつりと話し出す。

「喧嘩…にすらなってないんだけど…。

昨日から凛がオレの事避けてて……

理由分かんないけど、オレが何かしたのかなーって……。」

そう。

喧嘩した方がマシだ、って思った。

それなら理由も分かるから、仲直りだって出来る。

だけど今は……。