周りに生える全ての木々、そして草花が
日向の歌に合わせ、さわさわとメゾソプラノの音色を響かせ、

滝から流れ落ちる水は、力強いテノールを。

涼しげな風はソプラノを。

全ての自然が、少し高めのアルトの響きを持った日向とのアンサンブルを楽しんでいるようだ。


「これが……舞乙女の歌………」

小さく呟いた真宵は、
感動に震える自分の肩を、交差した両手で押さえた。


「……Jesus……!」

未来は、祈るように小さな囁きを溜め息と共に洩らし、

「………。」

凛は、ただ柔らかく微笑む…。