次の日、オレは兄貴と先生を誘って例の滝に行った。
「ああ……これは…!」
目の前に広がる綺麗な景色に感動したようで、
兄貴はそれ以上、何も言わなかった。
「…これは…いい水だな……」
彼方先生も、目を細めて微笑んでる。
「な?すげーいい場所だろ??」
なんだかオレまで嬉しくなって、にこにこしてしまう。
「ここは…風も優しくて……
僕の中の騎士の力も、何だか喜んでいるみたいです…。」
岩場にしゃがんだ兄貴が水に手を伸ばそうとすると…
「…危ない。落ちたらどうする……。」
先生が兄貴の肩を掴み、止めた。
……いや、落ちても濡れるだけだし…。
以前は、先生って兄貴に対しては甘いのかなー?なんて思ったんだけど違った。
兄貴に対してだけ、異様に心配性なんだな。