「あー!!…やっぱり、人を好きになるのは良い事だね…!!

こんな…気持ちになれるなんて……。」

オレを見て、嬉しそうに目を細めて笑う。

「ありがとう、日向…。」

なんか、そんな風にお礼言われるなんて思わなくて…。

ちょっと顔が赤くなるのを感じたから、慌てて横に置いといた紙袋を漁る。

「それは?」

「…兄貴が持たせてくれた…。…ほら。」

アルミホイルに包まれたお握りを真宵に手渡す。

「食えよ!!
お前、1日、何も食ってないんだから!!

体、壊すだろっ!!」

紙コップを取りだし、2人分のお茶を注いでから、自分も お握りにかぶり付く。

「うん…。美味しい。」

真宵も嬉しそうに食べてる…。

「まだ、一杯あるぞ。」

「……そんなには食べれないよ。」

「駄目だ!お前、細いんだから、肉つけろっ!」

「……酷いな、日向。」

優しい月明かりの下。

色々喋りながら2人で食べる お握りとお茶は本当に旨くて…。

オレと真宵は、長い間、そうして過ごした…。

オレが必死で伝えた言葉は、
真宵に『ズレてる』なんて言われてしまい、

…なんか微妙にショックだったけど…。

それでも、今。

こうやって笑いあいながら2人で居れるんだから…。

ま、いいよな……。